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研究科長ご挨拶

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研究科長 松本 和彦

 大阪大学大学院高等司法研究科(法科大学院)が設置以来掲げてきた理念は、「新時代を担う、真のLegal Professionals」の養成です。それは、高度な法的知識・能力を備えているというだけでなく、幅広い教養と豊かな人間性、複眼的思考に裏打ちされ、かつ理論と実務を架橋できる実践的能力、そして現代社会の諸問題への柔軟な対応力を有する法曹の育成を意味しています。

 法科大学院が法曹養成プロセスの重要な一端を担う組織である以上、多数の司法試験合格者を出すことが組織の使命といえます。本研究科も2004年に設置されて以降、これまで多くの法曹を輩出してきました。本研究科の修了生は累計で1400人を超え、900人以上の修了生が司法試験に合格して、法曹界で活躍しています。しかし、本研究科は修了生をただ単に司法試験に合格させて、社会に送り出しさえすればよいとするものではありません。本研究科が目指しているのは、あくまでも「新時代を担う、真のLegal Professionals」の養成です。この理念を実現するため、本研究科は以下のような取組みを行っています。

 まず入試に関して、2年制の法学既修者コースと3年制の法学未修者コースの各々で一般選抜の入試を実施するほか、法学既修者コースには法曹コース5年一貫型及び法曹コース開放型の特別選抜を設けて、早期に法曹となる途を整えています。また、法学未修者コースには社会人・他学部(他学科)卒業者を念頭においた特別選抜と、外国語能力に秀でた方を対象にした特別選抜を設けました。2つのコース制と一般選抜・特別選抜を適切に組み合わせることで、本研究科は多様なバックグラウンドを有する志望者に対して広く門戸を開いています。

 本研究科への入学後は、少人数に編成されたクラスで、基礎→応用→発展へと積み上げられた段階的・完結的な教育プログラムの下、双方向対話型の勉学に努めることになります。もちろん、学生自らが主体的に学修に取り組めるよう、自習室では学生一人に一つ机が与えられますし、自学自習を手助けするWebシステムによるサポートもあります。また、すべての学生に対して、専任教員がコンタクト・ティーチャーとして割り当てられており、学習面・生活面に関して、毎年、最低2回の定期面談が受けられる仕組みになっています。さらに将来のキャリア像を明確にするため、エクスターンシップとして、法律事務所での研修や企業・自治体での研修が受けられる機会も用意されています。

 本研究科修了後も司法試験に合格するまで、教職員はもちろん、大阪大学のOBで組織された法曹会の実務家による支援やWebシステム等による支援があります。弁護士になった後は、臨床法務教育拠点としての「智適塾」において継続教育を受ける機会が提供されます。これにより知的財産法を中心とした専門的知見の習得が望めます。関西を中心にした修了生のネットワークの存在も本研究科の強みです。本研究科は、同窓会組織である青雲会の協力も仰ぎながら、修了生との連携を推進しています。

 法科大学院はもともと志を同じくする法曹志望者が互いに磨き合うところですが、本研究科は同時に、大阪大学の源流とされる適塾と懐徳堂の気風を受け継ぎ、教員・学生間及び学生相互間の切磋琢磨の場になっています。ここで一緒に学び、「新時代を担う、真のLegal Professionals」を目指しましょう。

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