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最高裁判所等訪問記(9月7・8日)を掲載しました

2023/10/02

最高裁判所等訪問記

今回の最高裁判所等訪問は、大阪大学から4名、関西大学から2名の学生が参加し、9月7日、8日の2日間にわたって行われた。預金保険機構や最高裁、知財高裁、東京地裁を訪問し、そこで働かれている裁判官の方々との話を通じて、学習への取り組み方について新たな知見を得た。
まず、司法試験以外の学習に関して、知的財産高等裁判所では、合計3名の裁判官と質疑応答の機会をいただき、裁判官として判断していくためには法律に関して知見を有しているだけでは足りないとの印象を抱いた。事実認定と法的評価の問題及びIT化に関する質問に対する、裁判官の方々の幅広い知見と実例を踏まえた解説から上記の印象を抱き、法科大学院やその後の司法修習の間、法律以外の知見も蓄えていきたいと思う。預金保険機構では、元々裁判官であったり検察官であったりと、様々な経歴をお持ちの方々が集まって法律以外の仕事もされている状況を知った。預金保険機構といった組織への理解にとどまらず、そこに集まった方々の新たな知見に対する柔軟性を自身の今後の学習でも取り入れていきたい。
また、最高裁判所や東京地方裁判所を含め、多くの裁判官の方々とのお話を経て、やはりみな素晴らしいお人柄をお持ちであると感じた。仕事が積み上がっている中、今回のような企画にご参加いただき、とある方は「関わりやすい雰囲気を敢えて作っているんだよ」といった冗談さえおっしゃっておられた。お話を伺っている最中に覗く充実している表情に、裁判官の方々への尊敬の念を禁じえなかった。事務員の方々とのかかわり方からも、相手方への理解と尊重を感じ取れ、これがある意味「素質」であり、どの進路を選択するとしても求められるものであろうと思う。
次に、司法試験への学習に関してであるが、最高裁調査官の方々が報告書等を作成されるときに、基本書から入るということを聞き、実直さの重要性を実感した。重要な事案には1か月以上かけて調査や議論を重ねることもあるそうだ。最高裁判所調査官という沢山の実務経験を積み重ねられてきた方々ですら基本書から始めるというのにもかかわらず、なぜ我々がそのフェーズを省略できようか。存在しない勉強方法の近道など探らず、実直に時間をかけて今後も勉強に励みたいと思う。
2日間の経験を踏まえ、書ききれないほどの数々の貴重な経験をさせていただいた。岡正晶最高裁判事がおっしゃったように、将来ふと思い出し、この経験を生かす機会が得られるよう、今後も日々精進し続けたい。

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