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司法試験合格者体験談

2015年 合格者体験談

 本研究科では、学生委員会(学生のクラス代表で構成する組織)の企画・進行により、毎年9月に司法試験合格者体験報告会を開催しています。
 当日披露された司法試験合格者の体験談の概要をお届けします。

平成27年9月18日(金)開催 司法試験合格体験報告会

 

石川 裕彬 「出題者との対話で、合格答案。」

 司法試験は、出題者との対話が重要です。自分が書きたいことあるいは知っていることを披露する場ではありません。出題者の問いに淡々と答えることが求められます。問題文には、出題者が書いてほしい(悩んで欲しい)ことが散りばめられています。そのため、出題者の意図に気付こうという姿勢が大切です。その意図に気付いて答案を作成する前提として、①条文、趣旨、要件、効果といった基礎知識を正確に覚え、いつでも自在に引き出せるようにすることが必要です。また、②厚く論じるべきところでしっかりと三段階法を用い、争いのないところは簡単に認定するといったメリハリをつけて答案を作成する力が必要です。

  出題者の意図の一例として、例えば、適法に傾く事実と違法に傾く事実があり、自分は違法という結論にするとき、自分の都合で、違法に傾く事実のみを拾って違法に傾く事実について触れないということをしてはいけないように思います。確かに、適法な事実のみを拾って答案を作成しても、答案の体裁は整います。しかし、両方の事実をどう評価するか悩んでほしいというのが出題者の意図であり、それと向き合わずに答案を作成しても点数にはつながらないと思われます。したがって、必ず、違法に傾く事実についても評価を加える必要があります。

  以上より、普段の勉強では、基礎知識を習得することや三段論法で答案を作成することを意識すると良いと思います。その上で、過去問を使って出題者の意図に気づく練習をすることで、合格答案のイメージが出来上がっていくように思います。

鈴木 美香 「本試験時に頭と身体を最高潮に」

 私は、ロースクールで1年留年し、今年4回目の受験でようやく合格することができましたが、小さい頃からテニスと書道をしてきて、結局最後までその2つを辞めることなく受験生活を終えました。ですので、勉強漬けの生活をしていたわけではありません。というのも、その2つは私にとって習慣のようなものなので、完全に辞めてしまうと却って自分の調子を崩すことがわかっていたからです。そして、そのような生活の中で、受かる力を身に付けるために、①勉強時間が短くてもその時勉強したことをきっちり理解する、②「とりあえず丸暗記」はしない、③基礎を身に付ける、ということに気を付けて勉強をしてきました。

 また、精神面については、どんなに答練等の結果が悪くても、落ち込みつつも「今できなくても本試験でできればよい」と考えるようにしてきました。そして、本試験では、平常心を保つために、合否という結果ではなく、問題を読み、考え、筋道の通った解答を書くことに意識を集中させました。多少のミスは気にしないことにしました。また、模試の結果は良くなかったですが、自信を持って受けるために、殆どの受験生が緊張して焦っている中では自分がいつも通り解答すれば大丈夫と考えました。それにより実力を出すことができたと思います。

 結局司法試験は、頭と身体を本試験時に最高潮に持ってくることが重要だと思います。そのためには、普段の勉強がなかなか思うようにいかなくても最後まで諦めず粘って勉強すること、そして、体調管理に気を付けることが大切だと思いました。

桑原 いぶき 「司法試験に向けた私の生活と勉強方法」

 私は2012年3月に未修者コースに入学しました。入学当初、周囲との知識量の差に愕然としました。この経験から、私は「基本知識を正確に身につける」という基本方針を立て、勉強することにしました。この基本方針のもと、私は自学自習を基本に、ゼミで自身の答案から客観的な評価を得たり他の人の答案から様々なヒントを得たりしながら3年間勉強しました。

 3年間勉強を続けるにあたり、私は一日のタイムテーブルを固定していました。平日、休日を問わず起床時間や登校時間を固定することで、コンスタントに勉強時間を確保することができました。また、朝型のタイムテーブルを設定することで、朝の人の少ない時間を有効活用することができ、集中してその時々に応じた課題をノルマとしてこなすことができました。

 司法試験に向けて心がけたことは、条文を大切にすることです。答案を書く際や基本書等を読む際に、逐一条文を参照することを心がけていました。条文を丁寧に確認することで、その法律全体の構成が頭に入り、法律の趣旨目的も把握しやすくなると思います。また、条文を幹として、判例や学説を枝のように関連させて勉強することで、事案の問題点の把握や解決方法の糸口が発見しやすくなると思います。

 適度な休憩を挟みつつ、前向きに勉強を続けることが合格に繋がると思います。在学生の方には自分に合った勉強方法を見つけて合格に向け邁進していただきたいと思います。

中原 大雄 「司法試験を経て」

 今回、運に恵まれて合格することができました。本当に皆様のかかわりの中で、影響を受け与え、頂いた結果だと深く認識しております。

 私が、報告会において強調したのは、何よりも過去問の活用でした。勉強方法が十人十色ということは、ロースクール生活を経て深く実感するに至りました。しかし、過去問を分析することは、どの受験生にとっても欠かせないことのはずです。そこで、報告のメインにさせていただきました。

 ただ、過去問分析といっても色んな方法があります。そして、おそらく一番時間をとられる勉強のはずです。平常から、授業の予習にゼミのあるロースクール生にとって、過去問検討の時間を第一に確保することは思ったよりも難しいです。

 過去問は、問題の質・採点実感の存在・参考答案の充実、この3点が他の勉強素材にない素晴らしい特徴だと考えています。必ず、時間を測って、手を使って書くことをお勧めします。その後は、採点者のメッセージのこもった採点実感を熟読します。中位の合格者、下位の合格者及び不合格者の答案と採点実感の比較をします。最後に、自分の書いた答案を添削します。

  この手順が、私が行っていたものです。
 上記の作業を通して、試験に合格するために必要なことを抽出しました。そして自分がどの段階にいるのかを謙虚に受け止めて、足りない部分の勉強を追及していきました。この方法が最善でないかもしれません。参考になればと思い、ここに紹介させていただきます。皆様が、自らの望む結果を達成されることを心から祈っています。

宮内 望 「未修者でも大丈夫!」

 私が伝えたいことは、未修者も自信を持って勉強に打ち込んで欲しいということです。

 私は、他学部卒かつ社会人経験ありの純粋未修者として入学しました。そのため、入学当初は法学部出身の同級生らが行う議論に全くついていくことができませんでした。ただ、1度の受験で合格したいという気持ちは本当に強かったので、勉強時間だけなら全国の受験生に負けないようにと意識していました。また、勉強量の確保から、目指すべき勉強の質も見えてくるだろうと考えていました。勉強方針は、シンプルです。勉強時間の確保に加えて、授業の予習復習をしっかりやりました。普段は予習をしっかりと行い、テスト前の復習の際に、覚えなければいけないことを抜き出し簡単にまとめます。そして、テスト前日はまとめた事項を繰り返し暗記します。やらなければならない量を圧縮した上、視覚的に認識することで、漠然とした不安の解消、及び限られた時間の有効活用ができました。まとめたものは、テストや模試毎に編集し、暗記し直します。このような勉強を続けることで、2年に進級する頃には、法律用語が身体に馴染み、3年時には、定期テストで一定の成績をとる自信がついてきました。勉強に対する姿勢から、同級生の信頼も得ることができたと思います。

 「私に、良い成績がとれるだろうか。」と不安を感じているあなた、大丈夫です。私も、同じように感じていました。良い成績をとって、司法試験にも合格できます。自信を持って勉強に打ち込んで下さい。

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