私は、1回目の受験で合格することができました。既修として入学しましたが、入学時は法的知識、法的思考が未熟でした。高等司法研究科に在籍した2年間、教員の方々をはじめ、様々な方のお世話になりました。様々な方の支えがあってこそ、法的知識、法的思考を身につけ、合格することができたと考えています。
私は、この2年間、①授業から学ぶ、②自分で考えるという2つの方針を意識して勉強しました。①については、授業で問われた知識、論ずべき点に関する基本書の項目や判例等を調べるのみならず、それらと同じ条文で問題となりうる論点や判例等の整理まで行うことを意識していました。科目ごとにまとめノートを作成し、「これを論ずべきときはこの評価軸を意識する」などという思考の型を記載していました。②については、問題演習での思考過程を他人に説明できるようにすることを意識していました。
司法試験では、考えたこともない法的問題点を論述することになるのですから、常に使える知識を蓄え、自らの言葉で説明できるように整理しておく必要があると考えています。司法試験受験生の皆さまは何らかの形で自主ゼミをすると思います。私は、自主ゼミにおいて、「自分は~と考えるけれども、どうだろう」と発言するようにしていました。自主ゼミの活用法は様々だと思いますが、自らの主張を交えて議論をすることが重要であると考えています。
司法試験に合格するためには、日々の努力が必要となります。司法試験受験生の皆さまは、日々自分で思考することを忘れず、勉強をしてくださればと思います。
夢と希望を胸に法科大学院へ入学したものの、成績があまり上がらない皆さん。諦めてはいけません。ここからの頑張り次第で充分司法試験に合格します。
まず、真の合格レベルを知りましょう。巷に出回っている合格体験記は成績優秀な人の話ばかりです。参考になりません。ほんの少しの差で合格(不合格)になった人たちの話を集めるのが近道です。しかし、そのような情報はあまり出回っていません。次善の策として、ギリギリ合格した人の再現答案を読みましょう。過去問集は、再現答案がたくさん載っているものを選ぶべきです。1科目あたり45点~55点くらいの答案を読みましょう。平成28年度以降は各科目のランクが分かります。A、B評価を揃えているのに、一部EやFがある人の答案は、情報の宝庫です。
次に、答案の書き方を学びましょう。これは、上位合格者の再現答案を読みましょう。特に、5ページ程度でコンパクトにまとめている人が、何をどのように書いているか読み、そして真似しましょう。ポイントは、どの論点を書いているか、ではなくて、どう書いているか見ることです。大抵、長々とした一般論は書かず、判例の規範をコンパクトに示し、事実を丁寧に示しているはずです。頭でわかっていても、練習しないと本番では書けません。
総じて、司法試験に向き合えば、確実に合格できます。初年度短答落ちから2回目で合格した私が言うのだから間違いありません。成績中位層、下位層の皆さん。これからの頑張りが、阪大と、あなた方の人生を変えます。頑張ってください。応援しています。
私が後輩のみなさんに是非実践していただきたいことは、自己分析とそれに基づいた目的意識をもった勉強です。
私は今回2度目の受験で合格させていただきました。1度目が不合格になった後、合格した友人に私の弱点をきいてまわりました。私は民事訴訟法が苦手で、友人から「あなたは条文を知らなさすぎる」と言われました。
これが恐ろしいことに、自分ではその力がないとは思っていなかったのです。授業であてられてもある程度答えることができ、主要な論点はわかっているつもりであったがゆえに、自分は条文くらい引けると思い込んでいました。
友人のアドバイスもあり、出てきた条文は必ず六法で読むというルールのもと、有斐閣アルマを二周読みました。別途問題集を1冊こなしましたが、結局模試も本番も一番よかったのは民事訴訟法でした。
やみくもに勉強していても得るものがないとは言いません。しかし、やはり効率が悪いのはたしかです。是非勉強の前に自己分析をしてください。試験を解くためには読解力、知識、論点を思いつく力、表現力、記憶力、条文を引く力、といった様々な能力が必要です。それらのうち、自分がもう十分有しているものに時間をかけても効率が悪いです。自分に足りていないものを洗い出し、それを身につけるための勉強をしてください。
よく合格者がいう「勉強方法はそれぞれ」というのは、この弱点を見つけてからそれを克服するための勉強法のことです。多くの合格者は意識的かは別として自分の弱点の洗い出しをしています。後輩のみなさま全員の合格を心から願っております。
私は、二度目の受験で合格することができました。一度目の結果が、合格に遠からず、でしたので、二度目の受験に気を向けることができたと思います。学校の成績は、学年の真ん中あたりでしたが、それでも合格することができます。しっかり勉強し、胸を張って受験してください。
司法試験対策をするにあたり、これだけはと思ってずっと守っていたことがあります。それは、答案に示すべき「正解」を追い求めるということです。司法試験も点数のつく試験ですから、必ず正解があります。ここでいう「正解」とは、司法試験委員がその試験で求めている一般的な答えです。「正解」を知るには、過去問を解いて、出題趣旨や採点実感を丁寧に読み、その問題ではどのようなことが求められていたのか、考えることが最善です。それを繰り返すことで、どんな問題が出ても、どのような点に気を付けて答えを書くべきか、どのレベルまで求められているのか、なんとなくでも掴めてきます。そして、これに合わせて、自分がどのような知識を身に着けるべきか考え、勉強してきました。
とはいっても、他人の勉強方法は、他人に合ったものですし、抽象的で会得しにくいものです。私からのアドバイスは、自分が答案上でベストを尽くせるような勉強の仕方、知識の習得方法を、いち早く見つけて実践してください、ということです。試験会場では、ロースクールで切磋琢磨した同志の姿が最後まで自分を勇気付けますが、日々の勉強については、やはり自分との戦いです。自分のレベルアップに励んでください。