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研究科長室より

韓国訪問記

2019/10/08

 この欄で6月に韓国のロースクールからの訪問団を受け入れたことを報告しましたが、その際にお願いしていた韓国調査が実現し、92日から6日までの5日間、韓国の大邱を訪れ、犯罪被害者保護制度についての調査をすることができました(科研費による調査出張です)。先月分と報告時期が前後してしまいますが、この場を借りて報告します。

 調査としては、裁判所、検察庁、日本の法テラスにあたる法律扶助協会のスタッフ弁護士、嶺南大学のスタッフなどから有益な話を聞くことができました。日本では、被疑者・被告人の弁護活動と被害者援助の対立が指摘されることがあります。これに対して、今回の調査も含め、韓国での聞き取りで印象に残ったのは、刑事弁護と被害者援助のいずれの立場でも、法曹としての客観性が強く意識されていることでした。被害者援助に取り組む弁護士でも、例えば、「無罪推定」について依頼者に説明し、当該事件で無罪判決が出される可能性についても伝える、というのです。

 調査には、嶺南大学の法科大学院長李東炯先生(写真左端)、6月の模擬講義でもお世話になった徐輔健先生(写真右端)に終始同行していただきました。あまりの厚遇に恐縮していたところ、お二人が言われたのは、10年以上も韓国の学生を受け入れてもらっているお礼として当然だ、ということでした。かつて私が模擬講義を担当した、すでに実務家として活躍している嶺南大学の修了生にも声をかけていただき、食事を共にすることもできました。何年も模擬講義を担当しながら、一向に言葉を覚えることができない自分を恥じながら、たった1コマの模擬講義の縁を再びつないでくれた彼らにも感激しました。

 せっかくの縁ですから、韓国の学生と交流の機会があった本研究科の学生や修了生が再度交流を深める機会を持ってくれたらいいなあ、と思っています。

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