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研究科長室より

司法試験の結果について

2021/02/02

 2021120日に司法試験の合格発表がありました。今年度の司法試験は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で試験の実施が5月から8月に延期されるなど、受験者には例年にない困難な状況がありました。この困難な状況の中で合格された方々には、法科大学院教育に携わる者として、心からお祝いします。

全体について結果を見ると、受験者3,703人に対して合格者1,450人、合格率は39.16%(法科大学院修了者の合格率は、32.68%)でした。高等司法研究科の修了生については、受験者90人に対して最終合格者が34人、合格率では37.78%という結果で、昨年の実績と比較すると、合格者数、合格率ともに低下しました(昨年は合格者46人、合格率41.07%でした)。昨年の結果を受けて、上位校に伍するための目標として、短答式試験の合格率で80%以上、最終合格率で50%を超えることを目指していたので、いずれも目標に達しなかったこの結果を重く受け止めています。

 今年の結果について少し分析的に見てみると、昨年と比較した今年の特徴としては、次のようなことが言えると考えています。まず、阪大の修了者の受験者数は、昨年の112人から90人に減少しました。これは、直近年度(2019年度)の修了生が45人と少なかったことが原因と考えられます。ただ、2018年度の修了者も40人で、直近年度の修了生の減少ということ自体は、昨年度と同じです。それでも昨年の合格者数が46人であったのは、過年度の修了生の合格者が28人あったことによる押上げ効果があったからでした。今年は、過年度の修了生の合格者は11人に留まっており、これが合格者数の減少の主な要因と考えられるのです。直近修了年度の受験者は、昨年が39人、今年が44人で、そのうち合格者は昨年が18人(合格率46.15%)、今年は23人(合格率52.27%)ですから、直近年度の修了者に関しては、合格者数、合格率ともに昨年より良かったといえるのです。

 以上のことから、2つのことを在学生や修了生の皆さんにお伝えしておきます。

まず在学生の皆さんへ。授業で学んだことをしっかり身につけることが合格への近道です。直近の修了生のうち、修了時の成績が上位20位までの人は、16人が合格しています。在学中に頑張った人が合格の栄冠をつかんでいるのです。また、短答式試験の合格率がなかなか80%を超えることができない原因としては、基礎を固める学習が十分でないことを示しています。授業への取組と並行して、短答式試験を意識して、条文、判例を満遍なく頭に入れる反復学習を続けてください。

修了生で、来年度の司法試験を受験する予定の人には、もう一度、仲間と一緒に学ぶ体制を築き直してください、とお願いしておきます。高等司法研究科では、修了生向けに、弁護士アドバイザーによる「修了生勉強会」という取組をしています。これは数人のグループにOB弁護士が指導するもので、このグループが「みんなが合格するまで一緒に頑張ろう。」という雰囲気を作ってくれるからです。

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