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研究科長室より

大阪大学ツアー

2021/12/06

 1113日に大阪府が「豊かな感性と幅広い教養を身に付けた、社会に貢献する志を持つ、知識基盤社会をリードする人材を育成する」目的で10の府立高校を選定したGLHS(グローバルリーダーズハイスクール)の生徒を対象にした大阪大学ツアーがありました。大阪大学ツアーについては、前にもこの欄で取り上げたことがあります(2019124日付の記事)。昨年は高等司法研究科の入試日と重なったため、担当しませんでしたが、今年は2年ぶりに模擬講義を担当しました。大阪大学ツアーでは、高校の生徒向けに、大学の紹介に加えて、何人かの教員が模擬講義を行っています。今年は吹田キャンパスで工学部と薬学部、箕面キャンパスで外国語学部、豊中キャンパスでは法学部と理学部の模擬講義が行われました。

 私の模擬講義は、これまで模擬法廷で行ってきました。模擬とはいえ、法廷という非日常的な空間に来てもらうだけで、受講者に強い印象を与えることができるからです。しかし今年は、新型コロナ対策のために広い会場が必要とされ、大阪大学会館の講堂で模擬講義を行いました。2階席まである広い講堂で、190人の生徒が参加してくれました。少し勝手は違いましたが、壇上で話をしていると、舞台俳優になった気分でした。

 模擬講義のタイトルは、「人から話を聞き出す手法と証人尋問のルール-おとぎ話を題材にした模擬証人尋問-」というものです。「主尋問では誘導は禁止」、「反対尋問では誘導尋問もできるが、誘導の仕方を間違えると逆効果」といった簡単な説明だけをして、受講者に証人役、検察官役、弁護人役を演じてもらいます。いつも感心するのは、高校生の対応力の高さです。検察官役には「ストーリーをもれなく語ってもらえるように」と指示しておきます。すると、「門には閂がかかっていましたね」といった誘導尋問に対して、「異議あり。誘導です。」の声が弁護人役から出て、検察官役は質問を変えなければならなくなります。高校生でも案外簡単に「そのとき門はどうなっていましたか。」といった質問に変えてくれるのです。「聞き手が答えをコントロールしてしまわない」ために誘導尋問禁止のルールがあることを理解してもらうためにも、このように実際に質問を工夫してもらうことが効果的だと思っています。受講者からどんなアンケート結果が返ってくるか、楽しみです。

   今年も干し柿を作りました 

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