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研究科長室より

ロースクールのBCP

2022/02/07

 1月下旬から2月の第1週にかけて、2021年度秋冬学期の期末試験が実施されました。コロナ禍のため、一昨年度から授業や期末試験の実施形態の試行錯誤が続きました。全面オンライン授業とした時期もありましたし、期末試験をオンライン試験(オンラインで監督をしながら、学生には手書きで答案を作成してもらい、それをPDF化して提出してもらう方式)としたこともありました。なるべく対面での授業を維持しようとする大阪大学の活動基準に従いながら、今学期は授業を対面で行い、体調不良などの理由で出席できない者にはオンラインでの受講を認めてきました。期末試験も対面で行い、体調不良で受験できなかった者にはオンライン形式で追試験を実施する形に落ち着きました。幸い、オミクロン株の感染急拡大の下でも、多数の学生に追試験を必要とする事態にはならず、ほっとしているところです。 

 今学期は学部の講義も一つ担当しましたが、対面で授業をしても、出席者はわずかしかいませんでした。それでも学部生の感染報告は相次いでいます。ところが、大学に居る時間が学部生よりもずっと長いはずのロースクールの学生には、今までのところ感染は広がってはいません。自習室や教室で感染対策に協力してくれた学生たちのおかげだと思っています。対面授業ができなかった2020年度はじめの状況に比べ、我々教員の側も学生たちも、パンデミック下においても教育活動を維持する方法を見出したのだと思います。これがロースクールとしてのBCPになっていると思います。 

 BCP(business continuity planning)とは、「災害などの緊急事態が発生したときに、企業が損害を最小限に抑え、事業の継続や復旧を図るための計画」をいいます(Wikipediaによる)。これをロースクールに引き直せば、緊急事態が発生したときに、その影響を最小限に留めつつ法曹養成のための最善の教育活動を継続するための計画、ということになるでしょうか。感染拡大という危機は、我々にとって初めての経験でしたが、災害や事故などは、いつ起こるか分からないものです。緊急事態の中でも、どうやったらロースクールらしい学びの場を維持できるかを考えておくことが重要なのだと思います。

早咲きの梅です

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