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研究科長室より

合格者祝賀会に出席して

2022/11/07

 今年もまた、10171830分から、大阪大学法曹会の主催により、司法試験合格者祝賀会が開催されました。昨年同様、大阪弁護士会館2階のホールをお借りし、そこに今年の合格者を招き、阪大のOB弁護士を中心に、盛大に合格を祝う会が催されました。合格者祝賀会は、毎年開催の予定とされていますが、コロナ禍ゆえ、一昨年は開催中止となりましたし、昨年は大阪弁護士会館に当年度と前年度の合格者も集めて開催されたものの、懇談はなく、黙食の後、前方の登壇者の話を聞くことに終始しました。コロナ未収束の今年も、昨年と同じ形式になると思いきや、今回はテーブル席が設けられ、そこでの懇談だけはできるように配慮されていました。感染防止の大原則はゆるがせにせず、かつ、祝賀の雰囲気作りもなおざりにしないという主催者の心意気を感じました。

  過去の合格者祝賀会は、立食パーティーの形式をとっていたため、祝う側と祝われる側が次々に相手を変えて、にこやかに談笑する様が、会場のあちこちで見られました。昨年と今年は形式こそ違えど、和やかな雰囲気に違いはなく、祝われる側はもちろん、祝う側も嬉しい気持ち一杯で参加していました。私は、祝う側からの参加の経験しかありませんが、合格者祝賀会に参加する度に、とても幸せな気持ちにさせてもらっていました。ずっと成績上位でいて、当然のように一回の受験で合格し、今後の前途も洋々たる合格者であっても、人には言えなかった重圧から解放された喜びがあるのであって、それを素直に表現しているのを見ると、本当によかったなぁと思いますし、複数回の受験の末、ようやく合格できた人が、ここまで諦めずに頑張ってよかったと語るとき、やはりその思いに共感してしまいます。

  このような催しを企画し、実行してくださっている関係者の皆さんの努力には感謝しかありません。合格者祝賀会の開催を自らの使命と考え、合格者のためにご尽力いただいた方々には、本当に頭が下がる思いです。今回も、合格者祝賀会の場に駆けつけてくれたOB弁護士が多数いらっしゃいました。その中には、わざわざかなりの遠方から来て下さった方々もいらっしゃいます。また、就活懇談会で講師を務めて下さったOB弁護士にも大変お世話になりました。本来であれば、ここでお一人お一人の名前を挙げて、感謝の念を示すべきところです。が、きっと恥ずかしいからやめてくれと言われるでしょうから、あえて割愛いたします。しかし本当にありがたいというべきです。

  願うことなら、祝われた側の皆さんは、自分の合格を祝ってくれる先輩たちがいること、先輩たちが自分のために尽力して下さっていることに思いを巡らせていただきたいのです。もちろん、先輩たちは後輩たちを祝ってあげたいという自然な気持ちから駆けつけてくれているのであって、お返しや見返りを期待しているわけではないのですが、後輩たちに喜んでもらい、かつ、そのことを態度で示してもらえたら、これに勝る幸福はないと思うのです。司法試験合格者祝賀会は、祝う側の善意の上に成り立った、とても麗しい仕組みであると私は思います。必ずしもすべての司法試験合格者に対して開催されるものではないため、その機会が与えられた合格者にとって、それは一種の特権付与であるといってよいでしょう。

  主催者である大阪大学法曹会は、合格者の範囲をできるだけ広くとって、お祝いしようと考えて下さっています。そのため、高等司法研究科修了の合格者51名だけでなく、大阪大学法学部卒業の合格者も視野に収め、他大学の法科大学院に進学し合格した人や予備試験を経由して合格した人も招待しています。とても太っ腹?です。しかし残念ながら、今回の祝賀会に実際に出席した合格者は招待された人の半分程度でした。もちろん、やむを得ない事情があって欠席通知をされた人もいるでしょうから、全員が揃わないのは仕方のないことです。私が気になったのは、招待の通知をもらっておきながら、何の返事もしない人が3割近くいたことです。主催者からの一方的な招待なのだから、別段、返事をする必要はないと思ったのだろうと推測します。しかしそれは心得違いです。むしろ他者に思いを巡らすことのできない人は、法律家としての資質も問われかねないと考えるべきでしょう。

  今年の合格者祝賀会の盛況ぶりを見る限り、来年も、祝う側は快く祝賀会を開催し、また遠方からも駆けつけてくれるOBもいると思います。これは本当にありがたいことです。今年祝ってもらった人は、来年、後輩たちを祝ってあげて欲しいと思います。そして後輩たち(特に受験を控えている在校生)の皆さんは、来年、祝賀会があることを意識しておいて下さい。受験日が2ヶ月後ろ倒しになるので、祝賀会もそれに連動することになりますが。

 

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