2024/08/16
危険な暑さという言葉がすっかり耳に馴染んでしまった8月7日、本研究科の執行部(運営委員会)の有志教員の発案で、大阪弁護士会所属の先生方との間で交流の場を持ちました。この日も最高気温37度を記録する殺人的高温下の一日でしたが、上記交流会は、少しは日も傾いているだろうと思われた18時開始とし、大阪の弁護士事務所から来るのであれば、それほどは遠くないだろうと思われた大阪大学中之島センター内の会場で、弁護士の先生方からすれば、若干早めと思われる時間に仕事を切り上げていただき、お集まりいただいたものです。
この交流会は「福田健次先生を囲む慰労の会」と名づけられました。開催に至った経緯は次のようなものです。大阪弁護士会所属の福田先生は、大阪大学青雲会の会長であると同時に、大阪大学法曹会の事務局長であり、大阪大学法務室の連携弁護士でもある等、大阪大学及び本研究科にとって大恩ある先生です。福田先生は、ごく自然に多くの人々を惹きつけ、いつもサークルの中心にいらっしゃることから、2年前、大阪弁護士会の会長に就任され、名実ともに大阪弁護士会の中心的人物になられました。
たまたま当時の大阪弁護士会執行部の筆頭副会長が、大学時代のゼミの同期だったため、昨年、福田先生が大阪弁護士会会長を退任されたとき、退任の慰労を一つのきっかけにして、本研究科の執行部との間で交流の場を持つことができないかともちかけたところ、ご本人はもちろん、同じく福田執行部で副会長を務めた他の先生方からも参加の意思表明をいただくことができました。そこで本研究科の学務担当副科長と相談し、「福田健次先生を囲む慰労の会」なる交流会プロジェクト?を立ち上げることにしました。
ここから先は副科長が献身されました。本研究科執行部の有志教員だけでは人数面でバランスが保てないので、大阪弁護士会側の参加者を10名程度にとどめていただくとともに、本研究科側にも理事や元科長に加わっていただくなどして、陣容を整えてくれました。その結果、20名あまりの小規模とはいえ、質・量の両面において相互に実質的な意見交換ができる環境を築くことができました。実際、当日は大変和やかな雰囲気の中で、大阪弁護士会側の先生方と本研究科側の教員が、会話をすることになりました。中心はいうまでもなく福田先生であり、出席者からの温かくもスパイスの効いたスピーチに対して、的確に突っ込みを入れるといった、福田先生の大阪人らしい?リアクション満載の対応に、会場は終始笑いが絶えませんでした。
ここまでの書きぶりからすると、まるで大阪弁護士会と本研究科が組織的な交流を行っているかのように受け取られたかもしれませんが、もちろんそうではなく、あくまでも個人ベースの付き合いに過ぎません。しかし、人と人の絆とは、結局のところ、個人のコミットメントの集積の上に成り立つものだと思います。今回は福田先生のお人柄に惹きつけられたメンバー間で交流を持っただけのことですが、これが結果的に、本研究科にかかわる多くの人を結びつけ、互いにとって有意義な機会を見出すきっかけになるのなら、今回のような試みにも一過性の会合を超えた価値があるのではないかと想像しています。
そのような大仰な効果まで期待しなくても、単なる交流会で構わないと割り切ることもできますし、今回の参加者の多くも、福田先生と懇親の場を持てたことで十分に満足されているだろうと思うのですが、私個人は、人間同士の対面での交流が生み出す力に大きな価値を認めることから、これが何かのきっかけになればよいと思っています。料亭政治のようなものを礼賛しているわけではないので、その点は誤解されませんよう。