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研究科長室より

新学期を迎えて

2019/04/01

 2019年4月から研究科長を務めることになりました。2004年に高等司法研究科が開設されて以来、私が6代目の研究科長になります。初代は吉本健一先生(商法)、第2代は松川正毅先生(民法)、第3代は谷口勢津夫先生(税法)、第4代は三阪佳弘先生(日本法制史)、第5代は下村眞美先生(民事訴訟法)です。
 私が大阪大学に赴任したのは、2004年4月、法科大学院の発足時です。もう忘れられたことかもしれませんが、阪大の法科大学院は、2003年秋の時点では設置認可が保留となり、急遽補充人事を行って、他校より少し遅れて設置が認可された経緯があります。その補充人事で阪大に移ったのが私だったのです。私自身、前任校の法科大学院設置に関わり、前任校の方は設置が認められなかったため、窮地に陥っていたところでした。その進退窮まる状況を救ってくれたのが阪大だったのです。そんな事情があるので、阪大の法科大学院を盛り立てなければならないという思いは、今でも強く持っています。
 研究科が一体となって取り組むべき目下の課題は、成績中位者以下の学生のレベルアップです。成績上位者がほぼ確実に司法試験に合格しているのに対して、中位以下の人たちの合格実績があまり芳しくはないからです。そのための様々な学習支援の取り組みを行ってきたところですが、指導を必要とする学生が我々の提供するサービスを利用していない現状があります。
 そこで、学生のみなさんへのお願いです。予備校情報などに惑わされないで、自分の学習上の課題と正面から向き合ってください。コンティー面談などが自らの問題を発見するために役立つはずです。また、私たち教員やサポートしてくれるOB弁護士の人たちを、もっと活用してください。それが司法試験合格への最も合理的な方法です。

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