2024/02/13
先日、本研究科の修了生同士で結婚した夫婦の結婚披露宴に招かれて出席してきました。修了生同士の結婚披露宴ということもあり、新郎新婦の友人たちの多くが、やはり本研究科の修了生でした。私のテーブルにも何人かの修了生が着いてくれたおかげで、彼らと旧交を温めることができました。本研究科の修了生の多くが弁護士になっていますが、この度の式で出会った修了生もほとんどが弁護士でしたし、そもそも新郎新婦が弁護士夫婦でした。披露宴が弁護士色に彩られていたわけでないことは言うまでもありません。
法科大学院というところは、厳しい法曹養成の場ですし、目標達成のため、ストイックに生きる挑戦者たちの鍛錬の場なので、一般には、色恋沙汰とは無縁のところと思われているかもしれません。しかし、ともに切磋琢磨する仲間たちの中に、友情から愛情へと変化する「化学反応」が生まれることも少なくないようです。法科大学院も、その意味では他の人間社会と変わりませんし、他と同様、愛情を育む場としても機能しているように(私の目からは)見えています。
在学生同士のカップルが、現在、どのくらい成立しているのかについては、当然ながら、研究科として調査したことがないので、よく分かりません。本研究科は風通しがよいせいか、以前なら、尋ねなくても自然と情報が伝わってきたのですが、コロナ禍以降は三密回避の傾向と相まって?情報伝達の流れも変化したのか、在学生の私生活情報もあまり伝わってこなくなったような気がします。しかし、多い少ないはありますが、在学生同士のカップルが成立していることは間違いありません。本研究科には恋愛禁止ルールなどありませんし、研究科として、恋愛を推奨しているわけでは決してないものの、特に問題視しているわけでもないからです。
過去の事例では、法曹になるという夢を叶えるため、在学中は一切の物欲・色欲を断ち、修行僧のように精進する在学生もおりました。もちろん、それはそれで立派な心持ちと言えます。実際、その在学生は修了後直ちに司法試験に合格し、現在は弁護士として社会で活躍してくれています。他方で、入学後間もない時期から付き合い始め、在学中、お互いを励まし合いながら勉学に打ち込む在学生カップルもおりました。他の人間社会の場合と同じく、カップルの行く末は必ずしもハッピーエンドとは限らないのですが、泥沼の破局劇?になるのはほんの少し(のはず)であると認識しています。
そうした中で、研究科修了後、修了生になってからも付き合いを継続し(途中で途切れ、再び復活した場合を含む)、結婚にまで至るカップルも珍しくありません。私も幾度となく、そのようなカップルたちから、自らの結婚披露宴に出席して欲しいとの要請を受けました。先に述べたように、修了生同士の結婚披露宴においては、出席した友人代表の多くも本研究科の修了生ということになるので、会場の一角が同窓会のような雰囲気になることもしばしばです。今回もそうした雰囲気を存分に味わうことができる披露宴でした。
結婚は人生のほんの一部でしかありませんし、今や人生に不可欠の要素ですらないかもしれません。さらに、結婚(あるいは交際)は破局や紛争のリスクを抱え込む所業であって、生き方として重苦しいとする考え方にも一定の支持があります。いずれにせよ、結婚にまで至ったカップルを人生の勝者のようにみなすことはできません。しかしたとえそうだとしても、本研究科を経て夫婦になった修了生同士のカップルには、幸せな家庭を築いて欲しいと願わずにはいられません。本研究科のウェブサイト「OULS修了生が語る ただいま法曹中!」の「弁護士夫婦」をご覧いただければ、きっとそのような願いにも十分な見込みがあるということが分かってもらえるでしょう。