2024/10/16
高司創立20周年を記念した修了生交流パーティーを11月10日(日)に中之島センター9階「サロン・アゴラ」にて開催するという話は、先月のこの欄でもいたしました。本研究科が主催し、2006年3月の修了生から2024年3月の修了生まで、1400人を超える修了生に声をかけ、都合の付いた修了生に、来月の第2日曜日、大阪大学中之島センターに集結してもらおうという企画です。本研究科が1400人あまりの修了生全員と直接コンタクトをとることは困難なので、実際には各期を代表する修了生数名にお願いして、企画の周知を図ってもらっているところです。
幸い声がけをお願いした修了生の皆さんは、企画の趣旨に賛同してくれ、二つ返事で声がけの仕事を引き受けてくれました。二ヶ月あまりの周知期間しかとれなかったため、開催の情報が修了生全員のもとに届くのか、この期間内に参加に向けての都合を付けてもらえるのか、いろいろと危惧される点がなかったわけではないものの、声がけを引き受けてくれた修了生の皆さんは、みな積極的に情報拡散に努めてくれましたし、何より修了生同士の人的ネットワークは、私たちが想像する以上に緊密であると思わざるを得ないもので、こちらとしても大変心強く感じました。
ただ、修了生は(想像通りだとはいえ)大変お忙しいこともあり、明らかに参加の意思を有していると思われる人でも、直ちに参加登録をしようとまでは思わないのか、そのことがちょっとしたマイナス効果を生んでいます。会場の規模との関係で、こちらは全体として150名程度の来場者を想定しているのですが、高司創立10周年記念のパーティー時に60名程度の参加があったことから、20周年だと120名程度を見込んでみたものの、それよりも多いかもしれないし(修了生の1割だとして140人)、逆に少ないかもしれない(100人くらいかもしれない)と思って、修了生の正式登録数をある程度確定させてから、残った人数枠を在学生や教員に割り振って埋めようとしたところ、肝心の修了生が正式登録を「控えている」ため、人数枠がどのくらい残るのか計算できなくなっているのです。
社会で活躍している人であればあるほど、当然時間に余裕はないでしょうから、不測の事態に備えて、ギリギリまで正式登録は控えようと思う気持ちは理解できないわけではありません。場合によれば、行けたら行こう(行けそうになかったら諦める)と考えて、意図的に(そして悪意なく)正式登録を控えていらっしゃるのかもしれません。しかし、あえてこちらの事情をお話しさせていただくと、正式登録数がそれなりに決まらない限り、在学生や教員に配分すべき人数枠を決めることができず、結果、在学生や教員に対して参加の声がけをすることに支障が生じるということになるのです。
今回の修了生交流パーティーは研究科主導の企画です。本研究科は、在学生に対してのみならず、修了生に対しても利益になるような行事を開催するべく、あれこれ試みてきました。だから研究科開催に伴うリスクも、ある程度は覚悟して引き受けています。ただ、研究科が出しゃばりすぎて、修了生の主体性を損なうような振る舞いになってしまうと、長い目で見た場合、やる気のある修了生をスポイルしてしまい、そのポテンシャルを消し去る結果になるのではないかという気もしています。
他大学の中には、修了生の同窓会が中心となり、研究科を巻き込んで主体的に企画を立ち上げているところもあると聞きます。本研究科では、こちらが修了生を招いて企画を遂行しているのですが、上記他大学では、修了生が研究科の教員を招いて企画を実行しているのです。どちらが主導するとしても、結果的に修了生も在学生も教員もみんなハッピーになるのなら、それでよいと考えることもできるかもしれませんが、これからさらに数が増えていく修了生のポテンシャルをもっと活かすことのできるような方法を考える方が、今後の発展可能性と持続可能性の両方に優れたやり方が見つけ出せるような気がしてなりません。