2024/12/19
11月6日の司法試験合格者発表から若干の日をおいて、合格者を祝う恒例の2つの会合が催されました。1つは11月21日に豊中キャンパス内のレストラン「らふぉれ」で開催された「合格者と語る会」であり、もう1つは12月11日に大阪弁護士会館で開催された「合格者祝賀会」です。前者は本研究科の学生委員会主催によるものであり、後者は阪大出身の法曹が主体の阪大法曹会主催によるものです。どちらも司法試験の合格者が主役の祝賀会なのですが、両者の開催趣旨には若干の違いがあります。
「合格者と語る会」は、本研究科の在学生の中でも2年生が中心となって、在学中受験で合格した3年生や本研究科修了後に合格した修了生を招いて開催されるものです。いわば後輩が先輩を招待して合格を祝うとともに、先輩から合格の秘訣や助言をもらうことが想定されています。この会は元々、合格者報告会とセットで開催されていました。明るい時間帯のフォーマルな合格者報告会と夕方からのフランクなパーティーの二本立てだったところが、パーティーの中で合格者が体験を語るものに変化して、現在の形になりました。ここに教員も招かれるようになり、立食形式で語り合う会になったわけです。
今年は在学中受験で合格した3年生がたくさん参加してくれたため、全体的に在学生の参加割合が高くて、私の目からはフラットなパーティーになったように見えました。合格者がすべて修了生だった時代は、先輩と後輩の区別が割とはっきりとしていたのですが、合格者の多くが在学中受験組で、今も在籍している学生だからなのか、随所で交わされる会話も日常の延長線上にあるように感じられました。また当日はちょうど本研究科の教授会の開催日に当たっていたせいか、教員の参加率も比較的高くて、教員と学生の交流の場にもなっていたようです。
これに対して「合格者祝賀会」は、阪大法曹会の主催ですから、合格者は実務法曹である先輩からの招待を受けて参加します。祝う側の先輩方の中には比較的修習年次の近い人もいるとはいえ、レジェンド級の大先輩もいらっしゃるので、合格者は背筋を正しつつ、自身の今後について助言を頂く立場になります。「合格者と語る会」では助言をする側ですが、「合格者祝賀会」では助言をもらう側に回るのです。祝賀される合格者はすべて阪大出身者ではあるものの、必ずしも本研究科出身者とは限りません。阪大を経て他大学の法科大学院を修了した人もいれば、阪大を卒業(あるいは中退)し予備試験に合格した人もいます。本研究科出身者は確かに合格者の多数派ですが、唯一の主役というわけではありません。
「合格者祝賀会」で祝ってもらえる合格者の数が全体で何人になるのか、正確なところは分かりません。私の憶測では100名余りです。当日出席した合格者は50数名でしたので、半分ほどが参加したことになります。今回もまた全員のスピーチを聞かせてもらいました。立場上どうしても本研究科出身者のスピーチに耳を傾けてしまうのですが、あの人らしいなぁと感じることもあれば、あの人はそんなエピソードも持っているのかと驚かされることもありました。合格者のスピーチですから、いずれも喜びに溢れた明るい言葉ばかりで、こちらも愉快な気分に浸ることができました。
私も「合格者と語る会」と「合格者祝賀会」の両方でスピーチをさせていただきました。私が合格者に向けて発する言葉はいつも2つです。「本当におめでとう」というお祝いの言葉と「これからは他人のことにも気を配って欲しい」というメッセージの言葉です。合格者の皆さんはこれからようやく社会に貢献できる立場になります。その立場を自覚して、よい法曹になってくれることを期待しています。
この2つの祝賀会のことを思うにつけ、2つの会を背後で支えて下さった何人もの支援者の顔が思い起こされます。ここに改めて感謝の意を記しておきたいと思います。特に学生委員会の皆さんと阪大法曹会の先生方には心からお礼申し上げます。
合格者と語る会
合格者祝賀会