TOPページ研究科長室より > 現在のページ

研究科長室より

アドバイザリーボードと教育課程連携協議会

2025/02/25

 本研究科は、研究科長の諮問機関として、アドバイザリーボードを設置しています。アドバイザリーボードとは、本研究科における教育の充実等を図るため、「法学、教育、組織運営等の有識者」による外部評価を基礎にして、本研究科に対し助言や提言をする第三者機関とされています(アドバイザリーボード内規1条)。それは、外部の複数の有識者によって構成され、本研究科のあり方に関して、ときには苦言も含めた有益な意見を提示してくれる組織なのです。本研究科は、創立から2年後(2006年)にこのような機関を設け、毎年、外部有識者の方々から有益な助言を受けてきました。 

 その後、2019年に学校教育法と専門職大学院設置基準が改正され、教育課程の編成及びその効果的な実施を図るため、法科大学院に教育課程連携協議会を設置することが義務づけられました。こちらは、法令上、外部有識者と研究科内部の教職員による協力連携組織とされています。教育課程連携協議会が法令上必置とされたことから、従来のアドバイザリーボードを教育課程連携協議会に吸収し一本化することもできました。しかし、教育課程連携協議会が教育課程の編成と実施に関する事項を審議対象としていることを考慮し、本研究科では、従来のアドバイザリーボードを存続させた上で、そこにおいて必ずしも教育事項に限定されない研究科の諸問題を外部の視点から審議していただくことにしました。 

 その結果、毎年2月にアドバイザリーボードと教育課程連携協議会の二本立てで会合を開くことになりました。今年度は218日に2つの会合を開催しました。すなわち、前半で7人の外部有識者によるアドバイザリーボードの会合を行い、途中休憩を挟んで、後半に7人の外部有識者と3人の研究科教員を構成員とする教育過程連携協議会を設けました。前半では委員長(外部有識者)の司会の下、外部有識者の質問に研究科運営委員(7人います)が回答し、これを踏まえて外部有識者各自が研究科に意見を述べました。後半では研究科長の司会の下、研究科運営委員による現況説明を受けた上で、外部有識者と研究科教員が議題について話し合い、意見を交換しました。 

 アドバイザリーボードの議題は「加算プログラムの進捗状況の報告及びOUマスタープランについて」でした。加算プログラムについては、以前この欄で書いたこともありますが、研究科による機能強化構想の具体化を文科省下の審査委員会が評価し、その結果を研究科予算に反映させる仕組みをいいます。また、OUマスタープランとは大阪大学の中期的経営計画のことで、それを年度に落とし込んだ研究科部局アクションプランがあり、大学本体が毎年成果を審査しています。いずれも毎年評価されるものなので、研究科にとっては対応の負担も大きいのですが、アドバイザリーボードの助言を受けつつ懸命に取り組んでいます。 

 他方、教育課程連携協議会の議題は3つで、「①司法試験結果分析(在学中受験含む)、②CBT化対応、法曹コース連携状況について」でした。昨年度は「在学中受験」、一昨年度は「法曹コース」というようにテーマを1つに絞って議論したのですが、今年度は昨年度と一昨年度の議題に新しい議題を加えた3つのテーマとなりました。いずれも状況の変化に合わせた議題設定です。確かに従来の課題の多くは既に解決済みですが、時の経過は新しい課題を生むだけでなく、従来の課題の諸側面を変容させ、新たな対応を迫るため、しばしばモグラ叩きのようなことをする羽目になります。 

 しかし、アドバイザリーボードにせよ、教育課程連携協議会にせよ、そこに集まっていただいた外部有識者の親身で有益な助言のおかげで、内輪の人間だけでは気づくことのなかった解決の糸口を得ることもあります。また、アドバイザリーボードの開催に向け準備しながら、あれこれ資料を整理している段階で、気づきの機会に恵まれることもよくあります。準備段階の自己点検の過程で、問題の所在と解決の糸口を見出すことは、運の良さもあるのかもしれませんが、アドバイザリーボード及び教育課程連携協議会の大きな効用であると思っています。ご協力いただいた外部有識者の方々に対しては、ただただ感謝です。

一覧に戻る

▲ PAGE TOP