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研究科長室より

司法試験と期末試験の対策

2025/07/09

 今年の司法試験は今月16日、17日、19日、20日の4日間で実施されます。法科大学院にとって司法試験は、春の風物詩だったのに、2年前から真夏のイベントになってしまいました。今年は梅雨明けが異常に早かったこともあって、猛暑の中の開催になることは、ほぼ避けられないでしょう。試験会場はエアコンが効いているはずですが、そこにたどり着くまでは熱波との戦いがあるかもしれませんし、万一、試験会場のエアコンが故障でもしようものなら、試験の実施のやり直しが取り沙汰されるのではないかとすら思ってしまいます。 

 司法試験の在学中受験もすっかり定着しました。2年前に在学中受験が始まったとき、本研究科の在学生の受験率は、国立九大学の中で下から2番目でしたが、今年はおそらく国立九大学の平均には達しているでしょうし、おそらく在学生の大半が受験に挑んでいると想像しています。ときどき廊下等でたむろしている本研究科の3年生たちと会話するのですが、みんな一様に屈託なくて、受験生とは思えないほど?明るい表情を見せてくれるので、実は受験生でないのかと思うこともあります。でも、聞いてみると、やはり在学中受験を控えた身であるというのです。受験勉強の合間に息抜きをしているということなのでしょう。

 もちろん、受験を控えているからといって、深刻な顔をされても困りますし、深刻な顔をしたところで、事態が好転するわけでもない上、抱えたストレスの重みで、自分で自分を追い込むような状況に陥りかねないと危惧されることを思うと、むしろ顔だけでも朗らかでいた方がよいというべきなのでしょう。ロースクールで仲間と一緒にいることの利点が、ここにもあると考えられます。つまり、同じ境遇にある者同士が互いに交流することによって、ストレスを軽減しながら、モチベーションを維持していくという効用が、ここにもあるということです。

 本研究科を離れた修了生の中にも、司法試験受験生はたくさんいるはずです。できれば一人で悶々とするのではなく、同じ境遇にある者を近場で見つけて、互いの状況を確認し合うだけでも、ストレス軽減に資するのではないでしょうか。本研究科には、修了生にも自習室の利用を認める仕組みがありますし、ここまで来たら、残り少ない期間を気合いと勢いで乗り切って欲しいと思います。試験において「勢い」は本当に大事です。身も蓋もない言い方になりますが、どうせ満点をとることのできる試験ではありませんし、腹を括って開き直った者が良い結果を得ることができるのではないかと推測いたします。

 7月は司法試験だけでなく、本研究科の期末試験もあります。今年は728日から86日までの8日間(土日を除く)が、期末試験期間になっています。3年生の多くは、司法試験を終えた1週間後に、期末試験に臨む予定になっているわけですが、それほど多くの科目を抱えているわけではないでしょうから、物理的な負担は大きくないとは想像するものの、気持ちを切らさずに受験するのは難しいかもしれません。ここでも同じ境遇にある仲間の存在が助けになります。自分一人ではないと思う気持ちが意識のマネジメントに役立ちます。

 1年生や2年生にとっては、今学期の期末試験が今後の試金石になるでしょう。未修の2年生を除くと、12年生にとって、今回が初めての期末試験であると思われます(厳密にいえば、再履修や再ローの人は違いますが)。本研究科には、3年生が12年生に対して、期末試験指南をする仕組みがあるせいか、こちらが特に示唆しなくても、12年生の期末試験対策は順調に進んでいるようです。最近、私のところにも、過去問についての質問がたくさん来ます。クラスメートたちと勉強会を立ち上げ、試験勉強に励んでいる人も多いという話も耳にします。12年生のときから仲間とともに期末試験対策を進め、その延長線上で司法試験対策もやる、という流れができているのなら、それはそれで望ましいことであるといえるでしょう。

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