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最高裁判所等訪問記(2月16・17日)を掲載しました

2022/03/29

最高裁判所訪問記

 今回の最高裁判所訪問は、大阪大学から5名、関西大学から3名参加し、216日、17日の2日間にわたって行われました。初日は、最高裁判所を訪問し、2日目は、知的財産高等裁判所及び東京地方裁判所を訪問しました。

 初日の最高裁判所の庁舎見学では、その造りから建物の重厚感や品格を感じることができました。最高裁内部についても、第一小法廷をはじめ最高裁判所図書館や大法廷審議や裁判官会議に使用される裁判官会議室等も見学することができ、最高裁で活躍される裁判官や調査官の方々が紛争解決のために奔走される姿を垣間見ることができました。また、大法廷も見学させていただき、天井中央部の吹き抜けから射す日光に照らされた法廷は、厳正中立な裁判を行う場としての厳格さを感じるものでした。
 庁舎見学の後、三浦守最高裁判所判事から御講話を賜りました。三浦判事の御講話の冒頭で社会にとって「エッセンシャルワーカー」たる法律家を目指さなければならないというお話がありました。法律や司法制度は不可欠な存在ですが、それを扱う法律家も社会にとって不可欠な存在でなければならず、そのためには、個性や強みを活かしながら社会にどのように貢献していくのかを考えていかなければなりません。法律家を目指す私達にとって、法律を勉強することは当然であり、そのうえで、社会を学び、さまざまな知見を広げていかなければならないことを認識しました。
 その後、3人の最高裁判所調査官の方から調査官の役割と職務に関する講義をしていただきました。判例の形成に深く関与できるといった調査官特有の難しさや面白さがあることを学ぶことができました。

 2日目は、午前中に東京地方裁判所で知的財産権事件を専門的に担当する裁判官や知的財産高等裁判所の裁判官の方々から知財事件についての講義をしていただきました。知財事件の特殊性や国際性から法律の多様性を改めて感じました。また、日々進化する技術や発明に対応できるようにシンポジウムや勉強会に積極的に参加しているとのお話から、実務に出てからも知的好奇心とたゆまぬ努力が必要であることを痛感しました。
 午後からは、東京地方裁判所の法廷で名誉棄損による損害賠償請求事件の集中証拠調べの傍聴をさせていただきました。傍聴後には、審理を担当された裁判官と東京地裁庁舎内を案内していただいた本学高等司法研究科ご出身の裁判官を交えて、事件の内容だけでなく、裁判官のやりがいや生活等について幅広くお話をしていただきました。中立な立場から紛争を解決に導く裁判官は、責任の重い仕事ではありますが、誰にとらわれることもなく自由に判断することができるという魅力的な仕事であることをご教示いただきました。

 今回の訪問では、三浦最高裁判所判事をはじめ多くの裁判官からお話を伺うことができ、普段の勉強では得ることのできない経験をさせていただきました。また、司法試験に合格して実務家として活動していくうえで、どのような実務家を目指し、そのためには何が必要なのかを考える契機としても非常に貴重な機会となりました。

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