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研究科長室より

採点

2021/08/05

 2021年度の春夏学期の期末試験が終わりに近づいています。今学期は、大阪府に「緊急事態宣言」が発せられる中でも、感染拡大を招かないよう注意を払いつつ、何とか対面授業を維持することができました。しかし、昨年の春夏学期と違って、期末試験は対面で実施せず、オンラインで監督をしながら、学生には手書きで答案を作成してもらい、それをPDF化して提出してもらうという方式でした。

 先日、私が担当する2年次の刑事訴訟法の授業でも期末試験を実施し、オンラインでの監督をしました。普段の授業では、私も学生たちもマスクを着けていましたので、試験監督のときにはじめて素顔を見た学生が多くいました。受講生の方もそう感じたのかもしれません。教室では、私も一度もマスクを取ることはなかったからです。今学期は、感染に不安を感じる「要配慮」学生はオンデマンドでの受講でした。1度も授業に出席しない学生もいましたので、15回の授業すべてをオンライン受講した学生は、マスク顔どころか、本当に顔を見たこと自体が、試験のときが初めて、ということになりました。

 試験は無事に終わったのですが、採点がなかなか大変です。まず、答案をPDF化するときの「技術」にばらつきがあり、ピンボケ、答案用紙が波打ったまま写っていて、激しく文字がゆがんでいるもの、背景が写りこんでいて、ページがかなり縮小されてしまうもの、天地が逆だったり、ページの順番がおかしいものなど、プリントアウトして採点準備をするだけでも一苦労、おまけに文字自体の判読が難しい答案などが続出しているのです。

 それに加えて、今年特に目立つのが、大幅な抹消や順序の入れ替え指示などで、答案自体が汚くなったものが多かったことです。試験の直前に配布したプリントには、「何をどのような順序で書いて、結論をどうするのかをあらかじめ決めておく」のが答案構成で、「答案構成は答案の出来を左右する。」、という注意喚起を書いておいたのに、それができていないから「汚い」答案になるのだろうと思います。採点をしながら、授業やプリントなどで注意したことが伝わっていなかったのだなあ、と嘆息している次第です。期末試験は、受講生の学習到達度を評価するためのものですが、同時に教員の側の教え方、伝え方の適否を測る機会でもあります。来年度以降、さらに学生への伝え方を工夫したいと思っています。

オンライン試験の様子
オンライン試験監督実施中

 

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