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研究科長室より

6月は試練の月か?

2022/06/06

  4月に学期が始まり早や2ヶ月が経過しました。ひょっとしたら、入学2年目の皆さんは違うのかもしれませんが、入学初年度の皆さんには、予習・復習に追いまくられているうち、気がついたら6月になっていた、という感じなのかなと想像しています。新米研究科長にとっても、この2ヶ月は本当にあっという間でした。次々に現れる課題をこなしていたら、6月を迎えていたというのが偽らざる心情です(でも、まだまだ課題をこなしていかなければなりません)。

 一昔前、新入生の中には五月病に罹る人がいると言われました。しかし今は六月病の方が多いようです。五月病は、新しい生活環境に適応できなくて、心身に不調をきたし、それが症状となってゴールデン・ウィーク明けあたりに現れるというものだそうですが、本研究科の場合、ゴールデン・ウィークでも普通に授業があるため、一息つく機会を持つことのないまま6月まで頑張って、その結果、ついに心身の不調を自覚せざるを得なくなり、六月病に罹ったことを知るというパターンかもしれません。皆さんの中に六月病の症状のある人はいらっしゃいませんか。倦怠感や焦燥感、不安感や喪失感など、軽い症状から重い症状まで個人差はあるようですが、ロースクール生活に馴染めず、心身の健康に問題を抱えているといったことはないでしょうか。

 その悩みはキャンパスライフ健康支援センターで解決できるかもしれません。本学のキャンパスライフ健康支援センターのパンフに、そこで「できること」が列挙されています(https://hacc.osaka-u.ac.jp/ja/wp-content/uploads/download/hacc_pamph.pdf)。センター内に設けられているアクセシビリティ支援室や学生相談室では、各種の悩み相談を受け付けてくれますし、健康診断や医師による診察も受けられます。どこかに相談したいけれど、どの相談窓口に行けばよいのかよく分からない場合も、行き先を教えてくれるとのことなので、とてもありがたい存在です。ちなみに、教職員の相談も受け付けてくれるそうです。本当に親切この上ないですね。

 もっとも、心身の不調というほどの状態ではないけれど、学修に行き詰まっているとか、ロースクール生活についてアドバイスが欲しいという人はいるかもしれません。その場合、本研究科に設けられたコンタクト・ティーチャー制度を利用し、担当のコンタクト・ティーチャーに相談してみるのがよいでしょう。ちょうどこの6月がコンタクト・ティーチャーとの定期面談期間に当たっています。担当のコンタクト・ティーチャーから定期面談の連絡が来るので、それにレスポンスして下さい。この定期面談は、教員と学生の直接的なコミュニケーションを通じ、皆さんのロースクール生活をよりよい方向に進めようとするものです。学修に取り立てて問題を感じていない人も含め、全員が担当のコンタクト・ティーチャーと面談することで、ロースクール生活を豊かにするための気づきの機会が得られます。ただ、残念なことに、ときどきコンタクト・ティーチャーからの連絡を無視する人もいます。それはコミュニケーションの拒絶です。しかし、コミュニケーションこそが法律家の技能であることを思うと、単なる無視は、無礼の域を超えて、法律家としての資質を損なうというべきでしょう。

 本研究科に携わっている者だけでなく、ロースクールの教育に係わっている人はすべて、ロースクールの修了生が社会の中で公共を担って欲しいと願っています。ロースクールで学ぶ皆さんは、そういう人たちに支えられているのだと思ってもらえるとありがたいです。コンタクト・ティーチャーが皆さんの力になろうとするのも、お節介な口出しをしたいからではありません。皆さんを支援することが社会公共のためだと思うからこそ、尽力しようとしています。皆さんは多くの人たちからの支援を受けつつ学びます。そうやって立派な法曹になり、今度は社会において他人を支援する側に回るのです。それが、法曹界における情けは人のためならず、ということだと思います。

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