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研究科長室より

認証評価と加算プログラム

2023/08/09

 本研究科にとって、今年は試練の年になります。というのも、今年は5年に1度回ってくる法科大学院認証評価(以下「認証評価」)の受審年であるとともに、5年間で実現すべきものとされる法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラム(以下「加算プログラム」)の最終年だからです。認証評価とか加算プログラムといわれても、在学生や修了生の皆さんには、聞いたことがあるという程度の認識だと思いますが、法科大学院の教職員にとっては、極めて大きな課題であり、法科大学院の命運を左右するかもしれない大ごとなのです。しかもどちらか一つでも大変なのに、今年は同時に対処せざるを得ないことから、本研究科は(人知れず?)試練に直面しているというわけです。 

  前者の認証評価は、学校教育法109条3項によって、法科大学院に受審が義務づけられたもので、本研究科は、大学改革支援・学位授与機構という認証評価機関による認証評価を受審することになっています。その目的は、一言でいうと、法科大学院の教育活動等の質保証のための評価にあります。そのため、認証評価機関が、法科大学院の教育課程や教員組織等の活動状況を評価し、評価基準に適合しているか否かの適合認定を行うものとされます。本研究科は過去に3度、上記機構の認証評価を受けており、いずれも適合と認定されました。今年は4巡目になります。  

 後者の加算プログラムは、文科省によると「法科大学院間のメリハリある予算配分を通じ、各法科大学院の教育理念や抱える課題、強み等の特徴に応じた体系的・系統的な取組を促し、法科大学院の教育力の向上を図るもの」とされています。こちらは、法科大学院が5年間の機能強化構想とそれを実現するための具体的な取組を検証可能な目標(KPIといいます)とともにパッケージとして提案し、その成果を文科省内の審査委員会が評価し、評価内容に応じて予算配分するという仕組みです。評価は毎年あるのですが、最終年は5年間の成果が総括され、それに見合った評価結果が出されるようです。 

 認証評価はもちろん、加算プログラムも、法科大学院の組織対応やパフォーマンスに焦点を当てた第三者評価を伴っており、その審査結果次第で、法科大学院は一喜一憂にとどまらない大きな影響を受けることになります。認証評価の審査結果は、改善意見が付くことこそあれ、基本的には適合・不適合という形で出されます。もし不適合という審査結果が出たら大変です。これに対して加算プログラムの審査結果は、予算配分への反映という形で出されます。本研究科も含め財政規模の小さい組織にとって、これ以上の緊縮財政は死活問題です。法科大学院の教職員が、認証評価と加算プログラムに、呻吟しながらも一生懸命取り組んでいる理由も、少しは理解してもらえるかもしれません。  

 時期的な観点からいうと、認証評価の作業の方が先行し、11月の訪問調査が終わったら、作業もだいたい終わる(たぶん)と思われるのに対して、加算プログラムの方は、おそらく秋以降に最終報告書の提出依頼が来ると想像されるため、そのタイムラグを利用すれば何とか対応できるだろうと想像していたところ、加算プログラムの最終年は、次期加算プログラムの準備年でもあると告げられ、大慌てで6月からその対応も行っています。タイトなスケジュールの中、負担の大きい作業をこなしてくれているスタッフの姿を見るにつけ、手前味噌ながら、本研究科の教職員の勤勉さと有能さを感じます。組織が機能するのは、結局のところ、人次第であると(当たり前とはいえ)つくづく思わされます。

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