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研究科長室より

令和5年度修了式を終えて

2024/03/21

 令和6年3月18日月曜日、令和5年度高等司法研究科修了式が開催されました。昨年度の修了式はコロナ5類移行前の開催だったということもあって、会場には警戒的な雰囲気が色濃く残っていましたが、今年度はコロナ5類移行が宣言された昨年5月上旬から既に10ヶ月以上経過した後の開催だったせいか、昨年度と比較すると、明らかに会場の快活度が違いました。会場の雰囲気がとても和やかだったのです。感染症に対する警戒心は引き続き保持しなければならないものの、修了生の門出を祝う式典の雰囲気がよいということは、研究科にとっても大事なことでした。

 今年度の修了式が昨年度のそれと異なるのは雰囲気だけではありません。実はこれまで修了式は全学の学位授与式と同日に開催されていました。例年、大阪城ホールで開催される総長主宰の学位授与式(いわゆる卒業式)が午前中にあって、それが終わった後、修了生が豊中キャンパスに戻り、研究科長から学位記を授与されるという流れがありました。本研究科を除く他のすべての部局にとっては今もそのような行程です。しかし、本研究科に限り、今年度から修了式と学位授与式は別日になりました。その理由は司法試験の在学中受験にあります。

 今年度から始まった在学中受験で司法試験に合格し、かつ、法科大学院の課程を修了した者は、令和6年3月21日から司法修習を受けることになっています。そのため法科大学院の課程修了日は21日よりも前に設定せざるを得なくなりました。本研究科が定めた修了日は18日です。しかし、これは法科大学院に限った話であり、他の研究科・学部には関係なかったため、全学の学位授与式は、例年通りの日程(今年度は3月25日)となっています。本研究科の修了生も全学の学位授与式に出席する権利を保有しており、3月25日に大阪城ホールに集うことは可能です。しかし既に和光の司法研修所に行ってしまった者が、その日だけ戻ってくると期待するのは望み薄であると思われました。

 在学中受験の合格者は修了生全体の3分の1であり、残り3分の2の修了生にとっては例年通りの対応(3月25日の午前中に学位授与式、午後に修了式)でも構わなかったのでしょうが、せめて修了式は修了生全員が集まることのできる日に設定した方が望ましいと考えました。そこで修了式は課程修了日である18日に開催することにしたという次第です。かくして修了式と学位授与式は分離されました。本研究科の修了生で学位授与式に出席する者は元々ごく少数だったことから、修了式を前倒ししたことによる学位授与式への出席者数に影響が出ることはほとんどないだろうと思われたことも、分離を決断した理由です。ちなみに25日の学位授与式には修了生2名が総代として出席する予定です。

 壮大で厳かな学位授与式と異なり、研究科の修了式はこぢんまりとした簡素な式典です。しかし、修了式の身内感に溢れたアットホームな雰囲気は、研究科の最後の行事に参加した修了生にとって、よい思い出になったに違いありません。ただ残念ながらコロナ期間中、元々簡素だった修了式がさらに簡素化されたことも手伝って、今年度も何となくあっけない感じになったことは否定できません。せめて出席者全員で集合写真を撮るなどして、連帯感を高める工夫をすべきだったと反省しました。他方、教務主任の機転で急遽用意していただいた式典花が、会場を華やかに彩り、文字通り、花を添えてくれたことは印象的でした。

 研究科としての今年度の行事は、修了式をもって終了です。2週間後には来年度の行事が始まるため、息をつく暇はあまりありませんし、個人的なことを言わせてもらえば、研究科長としての今年度の仕事もまだ終わっていません。が、それも月末には終わります。そして月が替われば研究科長職の2期目が始まります。1期目の反省を踏まえて2期目に臨みたいと思っています。

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