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研究科長室より

司法試験の結果を受けて

2016/09/12

 今年の司法試験合格者は、全体で1583名(昨年1850名)、本学修了生は42名(昨年48名)でした。既に報道もありましたとおり、今年の対受験者合格率は、26.75%でした。

 このような結果を受けて、在学中の皆さんは浮き足立っているかもしれません。しかし、今すべきことは、予備校に駆け込むことではなく、足元から学修を見直すことです。基本事項が十分に身についていなければ、応用などできません。基本書や判例の読み込みが不十分であれば、事例問題に対応することはできません。判例の結論だけを覚えても、司法試験には対応できません。一度読めば、何でも見通せる天才でもない限り、基本書と条文の往復を繰り返すことを避けて通ることはできないのです。

  在学生のみなさんは、第1学期の期末試験の答案返却を受けて、書き直したでしょうか。自分の答案を見直すのはおっくうです。しかし、特に成績が悪かった科目ほど、講評を読み、基本書や条文を読み直して、これで完璧という答案を作成することが肝要です。何が足りなかったのかを自覚し、課題を克服していってください。

  法律の勉強は一朝一夕に進むものではありません。一歩一歩険しい山を登るのにも似て苦しいことも多いですが、その途中で足許にある動植物に感動することもあるように、「なぜここにこの条文が置かれているのだろうか」とか、「なぜこの用語が使われているのか」などに注意を払うと面白さがわかることもあるでしょう。みなさんが、待兼山から四方(司法)を眺め下ろす日が来ることを祈っています。

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